2022/12/20
「中央区基本計画2023(仮称)」中間のまとめ への提言

要点:DX:Digital Transformation の徹底した活用を
3つのまちづくりの視点 と 9つの基本政策 には、目的・活動・成果が広範に計画されています。
しかし、それぞれを、実行してゆくときの現状・経過の観察・記録・伝達・協議・決定活動の経過観察・調整をするコミュニケーション手段についての、記述がありません。
人の観察・印刷物やPDFで保管・読み取りで、誰もが同じような理解・検討・決議・行動ができるという暗黙の前提にたっています。
しかし、人の観察から決議まで、人材・時間・場所などを同期して進める、従来の町規模での運営では、輻輳した現代都市では、非効率です。すでに始まっている、センシング・デジタル・データ・ネットワーク技術を使い切ってこそ、この国際的なメガロポリス:東京の中央区が動くでしょう。
そのためには、多様に解釈されるDX:Digital Transformation の徹底した活用により、江戸以来の人間中心の生活・都市文化を再興する必要があります。
まちづくりの視点1・2・3に分けてその活用の要点を述べます。
1.一人一人の生き方が大切のされた安心できるまちを目指して。
基本政策1(健康、生活衛生、保健医療)
基本政策2(子育て支援、障害者福祉、高齢者福祉)
基本政策3(共生社会、男女共同参画、権利擁護、生活支援)
マイナンバーカードの個人認証機能を最大限に使い、プライバシーに対処できる分散データエコシステムにより、個人・世帯・地域・組織の必要な人だけが、課題・活用現場で必要な時だけ、情報を参照し合い、総合的な解決をしてゆきます。
健康・衛生・保健から、養育・障がい・高齢化対応を、世代・地域・生活スタイルを超えて、支え・補い・楽しむためには、互いにを認め合い・出来ること・出来ないことを知り合い、生活現場での解決・充足してゆく必要があります。
さもなければ、施設・事業サービスが担保した活動内容だけに頼らざるを得なくなり、隙間だらけの生活サービスの消費に止まります。
また、市民からの限られた児童・民生委員、青少年指導委員の活動の範囲を超えて、住民の急激な増加は進んでいます。
2.快適な安全な生活をおくるための都市環境が整備されたまちを目指して
基本政策4(防災、危機管理、生活安全、住宅、住環境)
基本政策5(公園、緑地、水辺、環境保全、循環型社会)
基本政策6(道路、交通、地域整備)
センシング・データ・ネットワークを張り巡らして、人の観察・記録・検討の手間と時間を短縮して、持続的な自然・人工環境データを活用して、自動・半自動・人での対応に分散します。
空間が不足している中央区、道路面積は29%越え、動かない自家用車の駐車スペース、小口配送が増えた物流の荷さばきなど、快適で安全な都市空間を脅かしています。3000万人の広域首都圏・東京の人の移動は鉄道に依存し、大規模物流拠点は周辺部へ。駅・公共バス停・大規模駐車場からのスモール・モビリティは、多様化し続けるでしょう。減少する自家用車駐車スペースは、狭小な店舗のバックヤード・小口宅配の中継所、或いは路地に該当する寛ぎ空間になり大規模再開発にたいする人間スケールの空間を確保できるでしょう。
このような変革をするためには、人手での交通・通行調査ではなく、AIセンサー・カメラでのネットワークを張り、リアルタイムでの都市生態の実態把握が必要です。
さすれば、現状利用での課題・バリアーの改修、仮設での実験・実証、改良、立て替えなど、街のメンテナンス・リノベーションは進めてゆけるでしょう。
また、グリーン・インフラの充実も、路地の鉢植え・プランターでの生活文化を、公開空地やベランダ活用・活動促進にも活かしながら、環境保全・循環型社会を進めることでしょう。
国土交通省の、ホコミチ(歩行者優先道路施策)、ウォーカブル(歩き寛げる道路空間)、ミズベリング(水辺偶感の活用)など、常設だけでなく、季節・曜日・時刻別の空間シェアや、施設・仮設物設置など、リアルタイム・詳細位置データがあればこその施策がすすんでいます。
3.輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまちを目指して
基本政策7(商業振興、産業振興、観光)
基本政策8(学校教育、家庭教育への支援、青少年健全育成、生涯学習、スポーツ)
基本政策9(コミュニティ、文化振興、国際交流、地域間交流、平和)
中央区は、人とモノと情報が分離していない人間中心の街です。
日本橋から京橋・銀座の商業・ビジネス街活動も、これからの創発し合う文化経済市場の舞台として、この歴史を活かす立場にあります。 ここでも、一人一人の個性を認め合うための、個人・組織の認証とプライバシー・秘匿権と活用を活かす分散データエコシステムが必要です。街中が養育・教育・研究・再学習や習得・協議・競合の場になります。
一人一人が、自身のコミュニティを多層につくり、主体的に動ける居場所と、訪ね合い・向けられる他所を、リアル+デジタル・ネットワーク上に持つようになります。 その結果として、文化が進行し、多様な価値同士が刺激し合うバランスにより、平和という持続的な状態が続くでしょう。
ここに必要なのは、オープンデータとリアルな人同士が出会い・寛ぎ・楽しみ合う空間です。
幸いなことに、伝統的な芸能舞台空間を維持し、意識下の心身の技を磨き上げた人達の晴れ舞台が、中央区にはあります。
農林水産の自然の恵みを選び・集め・さばき・調理して楽しませてくれる築地・日本橋・銀座があります。
脳から身体・環境までの刺激の循環が解明されてきたのは、微細なセンシング・データ技術であり総合的に検討できるネットワークとコンピューティング技術です。
その心身と自然・人工環境とが何を’快’とし、持続してゆくか? 街暮らしの土壌の深い中央区を活かすのは、
最先端のセンシング・デジタル・ネットワークと根の深い生活背景を持つ人でしょう。
基本計画の基調に、是非、本質的なDXを織り込んでいただきたく、街暮らしを観察しつづけた立場からの提言です。